お店の人気はトイレで決まる?!店舗のトイレ空間を考える!
お客さんがお店を選ぶポイントとはなんでしょう。品物?金額?場所?
意外にも10人に1人以上が「トイレがきれい」と回答しています。お店のトイレが清潔でないと、それだけで客足が遠いのいてしまうくらいトイレは重要です。
【目次】
こんなアンケート結果は見たことがあるでしょうか?
【お店のトイレがキレイだとどのように感じますか?】
【お店のトイレが汚いとどのように感じますか?】
メニューやインテリア、サービスだけがお店のイメージを左右するわけではないのがわかります。約8割の人がトイレの印象でお店のイメージが良くなると回答しています。そして、約4割の人が「機会があればまた来ようと思う」と答えており、トイレのイメージがお店選びの基準のひとつになっていることがわかります。
特に男性よりも女性の方がトイレの細部まで気にする傾向にあります。
日本は降雨量が多く温暖湿潤気候のため、雑菌が繁殖しやすい環境にあります。そのため、清潔を維持する習慣が行き渡っているというのが理由の一つに挙げられます。
また、小学校では校舎のトイレや教室、校庭などを児童自身に掃除をさせているほか、制服の着用や給食の配膳を自分たちで行うなど、子どものころから衛生観念を向上させるのに役立っています。
そして、日本には「おもてなし」の文化があります。海外のトイレは清掃してくれている人へのチップとして有料のトイレがありますが、日本人のおもてなしの文化が無料でキレイなトイレを使っていただく、という意識に繋がっており、トイレがキレイなお店に行くと歓迎されていると肌で感じるのかもしれません。
また、こんな話もあります。
ある動物園は以前はお客さんのトイレの使い方が悪く、いつも汚い状態にありました。しかし、思い切ってトイレを新しいものに換え、動物園内のどの施設よりもお金をかけてリニューアルし、清掃も前以上に頑張ったそうです。
そうしたら、お客さんのトイレの使い方も良くなり、動物園そのものの評判まで良くなったそうですこのことからもトイレのイメージが良くなるとお店や施設のイメージまで良くなることがわかります。
3:どんなトイレ空間が喜ばれるのか?
・掃除が行き届いている
・匂いがない
・トイレが男女別
・ペーパータオルやハンドドライヤーがある
・床が濡れていない
・洋式便器がある
・広々としている
・手洗い器がトイレとは別にある
・荷物置きがある
・トイレがお店の中にある
・トイレに並ばずに入れる
・手洗いスペースとは別に化粧直しをするスペースがある
・蛇口から自動的に水が出てくる
・お店のインテリアとトイレの内装が合っている
・アメニティグッズが置いてある
・温水洗浄暖房便座がある
・水流音の装置がある
・全身をチェックできる大きな鏡がある
・いい香りがする
・手すりなどの摑まるところがある
・段差がなく、子どもやお年寄りが使用しやすい
Etc…
トイレは清潔であることが第一条件ですが、そのほかにもペーパータオルや荷物置きがあるなど、ちょっとした気遣いで好印象になることがわかります。
① 今のままですぐにできること
清潔な空間を保つために清掃の回数を増やすなど、常に清潔な空間を作ることが大切です。設備が古くても掃除が行き届いていれば気持ち良く使っていただけます。
見た目の清潔さを保つポイントは鏡・手洗いボウル、蛇口の水垢をしっかり落としてピカピカにすることです。蛇口を自動水栓に換えると蛇口に濡れた手で触れることがないので、掃除が楽になり、清潔な印象を与えることが出来ます。
常にキレイな状態を保つと言っても掃除道具を見えるところに置いておくのはNGです。収納スペースが足りないのであれば、壁に棚を取り付け、収納スペースを増やしましょう。
その際、籠にまとめたり、つっぱり棒にカフェカーテンなどをしたり、隠すようにすることでおしゃれで清潔なイメージになります。また、扉や壁にフックなどをつけることでカバンや上着をかけられるようになります。臭いの対策もすぐにすることが出来ます。
臭いの元は空気より重く足元にたまるので、臭いを消してくれる消臭剤は足元に置くようにしましょう。いい香りを放ってくれる芳香剤はより香りが実感しやすいように顔の近くに設置するのがおすすめです。
しかし、香りは下から上へのぼる性質があるので、顔より上に設置するのはおすすめではありません。洗面台の手元あたりに設置するのが理想的です。
②リノベーションで解決!
リノベーションすることで理想のトイレ空間を作ることが出来ます。例えばこのような間取りのトイレがあるとします。
現状は手洗いタンク付きトイレが2つ、外に独立の手洗いスペースがあります。こういった場合では手洗いスペースが男女共用となってしまうので、落ち着いてお化粧などを直したりできず、落ち着かない空間となってしまいます。
また、混み合うこともあるかもしれません。洗面台の幅も建築Wは850もあるのに、既製の洗面台を置いているため100も無駄なスペースを作ってしまっています。
なので、このように変更します。
トイレをタンクレストイレにすることで広いスペースを確保することが出来ます。そこに男性側のトイレには独立した造作洗面台を設置、女性側は元々通路にあった洗面台スペースを個室空間にし、ドレッサー機能を持たせた広々とした空間にすることが出来ます。
それぞれに洗面台を設置することで、収納も十分に確保でき、掃除道具やトイレットペーパーなどを収納しておくことが出来ます。
スペースが圧迫されがちなトイレ空間ですが、プランニング、設備機器、仕上げを工夫することにより空間を広く、使いやすくすることが出来ます。
床、壁、天井の仕上げは水や汚れに強い素材で、かつ店舗空間と同じデザインテイストにすることで統一感が生まれ、お店のイメージがグッと上がります。ちょっとした小物が置ける棚付きの2連のペーパーフォルダはポーチなどを置いておくのに便利です。トイレの上の棚には予備のペーパーが籠に収納されています。
トイレスペースとドレッサースペースは圧迫感を感じさせないルーバーで仕切ることで、トイレスペースとは切り離された独立したドレッサースペースを設けることが出来ます。
造作の洗面台はW=950もあるので、アメニティやディフューザーなどを十分置くことが出来ます。また、カウンターにゴミ箱の穴を開けることで、別で置き型のゴミ箱を設置する必要がなく、表からゴミ箱が見えないので清潔な印象になります。誤ってゴミ箱を倒してしまう、ということもないのでお客さんにとっても使いやすくなります。
洗面台の大きさに合わせて、大きな鏡を設置。鏡の裏と足元に間接照明を設置することで、落ち着いた雰囲気になります。また、スタンドライトなどの間接照明を店舗と合わせることで統一感が生まれ、まるで居室のような雰囲気にするのもおすすめです。
そして、インテリアや建築だけでなく、そこで使われる小物やアメニティもお店のイメージを決める重要な要素のひとつです。
アメニティは女性が化粧直しの際に使うコットン、綿棒、あぶら取り紙、などがあると喜ばれます。男性でもあぶら取り紙を使う人もいるかもしれないので男性側のトイレにもあるといいでしょう。
飲食店であれば、つまようじやマウスウォッシュを置くのもいいですね。マウスウォッシュはコップに移し替える必要のない小分けになっているものが便利です。女性の多いお店の場合、保湿効果の高い、いい香りのハンドソープやハンドクリームなどを置くと大変喜ばれます。
しかし、アメニティが置かれてあっても雑然と置かれているのはありがたくありません。水のかからない場所に設置し、籠などでキレイにまとめ、常に清潔に見えるように置くのがポイントです。
嗅覚は五感の中で唯一、直接大脳と結びついています。大脳とは快・不快などの情動を決めるところです。いい香りを嗅ぐと反射的に安らぐのはそのためなんです。
さて、トイレ空間にはどんな香りが合うのでしょうか。トイレは空気がこもりやすく、臭いが気になる場所です。そして、常に清潔に保ちたい場所でもあります。
なので、すっきりとした清潔感のあるミント系の香りがおすすめです。ペパーミントには抗菌作用も高いので除菌・消臭をしたい場所にはぴったりです。
または、癒しや安心感を与えてくれるフローラル系の香りもおすすめです。幸福感をもたらしてくれるローズの香りや高揚感をもたらし、ストレスを緩和してくれるジャスミンの香りで癒しの空間を作ることが出来ます。
トイレのスペースに余裕があれば、車いすの方や高齢者、子連れのお客様にも喜ばれるユニバーサルトイレの設置も検討してみましょう
オムツを交換できるスペースやベビーチェアがあるだけでも、子連れのお客様は安心して利用することが出来、リピーターになってくれる可能性が上がります。他にも着替え台などがあると女性がストッキングを交換したいときだけでなく、子どもが洋服を汚してしまって着替えたい!なんて時に便利です。
また、段差をなくし、手すりの設置やバリアフリーの内装にすることで車いすのお客様や高齢のお客様にも気に入っていただけます。
7:求められるトイレの機能
飲食店などの特に衛生面が気になるお店ではトイレに近づくと自動でトイレの蓋が開閉される『オート開閉』機能や、自動で洗浄するトイレが人気です。直接触らずに開閉、洗浄が出来るため衛生的と感じる人が多いようです。
飲食店だけでなく、例えば美容室などケープをした状態でトイレに行った際も動作が少なくて済むのは便利な印象を受けます。
他にも消臭・脱臭機能のあるものや泡がクッションになり飛び散りを抑える機能などもあります。忙しい時間帯、掃除がなかなかできないこともあると思いますので、このような機能があると常に清潔な空間を保てるのでおすすめです。
近年はトイレの機能も様々増え選べる時代となりましたので、お店にはどんな機能が必要かどうか考え、選ぶ必要があります。
お店を始めるにあたってお店の内装、看板、など人目につく目立つ場所を最優先されるかもしれません。
しかし、メニューやお店の雰囲気は気に入っているのにトイレの空間だけがちょっと残念・・・ということでリピートしないお客様も多くいます。店舗のコンセプトや客層に合わせてトイレにも様々な工夫をすることで、「あのお店はよかった」「また行きたい」というリピーター作りにつながります。
トイレ空間を変えれば「選ばれないお店」から「選ばれるお店」にすることが出来ます。
また、お店の雰囲気に合わせてトイレ空間を作ることで、お店全体のイメージが良くなり、印象に残りやすいお店になります。トイレ空間をただの「個室」ではなく、「部屋」のように感じさせることで、よりリラックスした空間にすることが出来ます。魅力的なトイレがあれば、それだけでお店のファンになってもらえるかもしれません。
WAILEAでは、店舗の水回り空間のご提案を行っております。フルオーダーでの造作洗面台をはじめ、オーダーキッチン、オーダー家具、インテリアデザインなどもご提案させていただいております。
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洗面化粧台・洗面所に関する記事も併せてご覧ください。
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