造作キッチンでこだわりを ~自由に選べる構成部材~
造作キッチンとはその名の通り、お客様のご要望や使い方、住まいに合わせて、好みのカウンター素材や扉材や機器類を洗濯し、一点一点造作製作するオーダーメイドキッチンのことです。また、寸法も㎜単位で設定可能でキッチンワークトップの高さやシンクの大きさ、機器類の位置、コンセントの位置など、使い易い様にお客様のご要望を落とし込むことが出来ます。
メーカーのシステムキッチンでは、部材を選べるにしても制約があったり、割高なオプション料金であったり、そもそも対応不可であったりと、希望のサイズや仕様に出来ない場合には、造作キッチンンを依頼する事を検討してみてもいいかもしれません。
造作キッチンを依頼するには、建築工事を依頼している施工業者さんにお願いして大工さんや設備屋さんで作ってもらう方法と、造作キッチンを専門にしている業者に相談する方法があります。前者はそもそも建築工事で施工される業者様で造作する事になるので経費的には安くすむメリットがあり、後者は専門の造作キッチンメーカーなのでノウハウが沢山あり様々な要望に解決策を提案いただけるメリットがあります。
キッチンは最も長い時間、家事をする場所です。自分だけのキッチンを作ることで家事をする場所がお気に入りの空間に変わります。ですので十分い検討を重ね理想のキッチンを手に入れたいところです。
造作キッチンを建築工事の施工者に依頼であれ、専門の造作キッチン業者に依頼であれ、まずお客様自身がある程度理想のキッチン像をイメージする上で、どんな素材や機器があるのか?知っておく事が望ましです。その上で相談すれば、打ち合わせはスムーズに進み理想のキッチンにり近づくことが出来るかと思います。
▽キッチン関する記事も併せてご覧ください。
【目次】
1:キッチンカウンター(ワークトップ)とは?
「キッチンカウンター」とは、食材を切ったりお皿に食材を盛りつけたり、調理をしたり、様々な作業をするカウンター・天板のこと。コンロやシンクとひと続きになっている仕様が多いです。カウンター下には収納スペースや水道が設置されています。「キッチンカウンター」は、他にも「ワークトップ」や「天板」とも呼ばれることがあります。キッチンのレイアウトによっても異なりますが、アイランドキッチンなどの場合、よりカウンターの存在感は大きくなります。料理する時に使いやすい素材やお気に入りのデザインだとより、キッチンに立つ時間が楽しくなるでしょう。
2:キッチンカウンターはどう選ぶ?
①耐久性で選ぶ
毎日の料理をする際の作業台になるキッチンカウンターは、調理器具などの重い物や固い物を落としてしまうこともあるでしょう。その際に生じる傷や衝撃に耐えられるかという耐久性はとても重要です。衝撃で凹んでしまったり、割れてしまうことがあると、見た目も悪くなるだけでなく、雑菌が繁殖する要因となる可能性があります。生ものや食品を扱うキッチンカウンターでは食中毒などにつながる恐れもあるので、気を付けたいところです。長く使い続けることが出来るように、傷が付きにくく衝撃にも強い素材を選びたいですね。
②耐熱性で選ぶ
火を使うキッチンでは、うっかりと熱したフライパンや鍋をそのままカウンターに置いてしまうことや、熱湯を溢してしまう可能性もあるでしょう。
鍋底のカタチを下焦げ跡や溶け跡が残ってしまっては折角のこだわりのキッチンも残念な印象に。そのような場面を考えると燃えない素材であることはもちろんのこと、熱に強く、変色や変形しない素材を選びたいですよね。
③色やデザインで選ぶ
最初にも述べたように空間が開放的に見えるオープンキッチンが主流になっている今、ただ料理をする場所としての役割だけでなく、空間全体の印象を左右するといっても過言ではない程、来客の際にも目につく場所です。使い勝手だけではなく、色合いやデザイン、素材にはこだわりたいところですね。色やデザインを選ぶときは、キッチンだけの空間として考えると、キッチンだけどこか浮いてしまう印象になり兼ねないので、一体となるダイニングやリビングなどの空間全体をどのようなデザイン・雰囲気にしたいのかを考えながら選びましょう。
④お手入れのしやすさで選ぶ
キッチンカウンターは、水や油、調味料、食材のカスなど汚れやすい場所です。汚れを放置していると、頑固な汚れになって落としにくくなってしまうこともあるでしょう。料理をすることが好きでも中々キッチンの掃除は手間がかかって面倒くさい感じる方も多いでしょう。キッチンカウンターが汚れの付きにくい素材や、汚れもサッと落とせるような素材であれば、キッチンの掃除も少しは気楽になるのではないでしょうか?掃除の時間短縮にもなりますよね。
3:キッチンカウンターの種類
①ステンレス
昔から一般家庭やレストラン、ホテルなどの多くのキッチンで使われているステンレス。鉄にニッケルなどを混ぜて錆び難くした素材です。ステンレスのメリットは、耐水性、耐熱性、耐久性に優れており、お手入れもしやすい、機能面でとても良いという点。錆びにくい為、腐食が起こるような事もないので衛生的にも安心です。コストの面でも他の素材に比べて安価です。金属の物を置いておくと「もらい錆び」が起こりやすいので気を付ける必要があったり、素材の特性上細かい傷が付きやすいデメリットがあります。ただ、表面の仕上げにも様々な種類があり、一方向に細い線状で傷を付ける「ヘアライン仕上げ」や、ランダムな研磨模様を表面に付ける「バイブレーション仕上げ」など様々あるので、傷の目立ちにくい加工を施した物を選ぶことをオススメします。素材や色味的に、空間に温もりや柔らかさよりも、シャープでシックな雰囲気やインテリアを求めている方にオススメです。
②人工大理石
名前に大理石と入っているので石が入っていると思われる方も多いかもしれませんが、材料には石は一切使われておらず、ポリエステル樹脂やアクリル樹脂でできた人工素材です。ポリエステル系は安価ですが熱や傷などに弱く、アクリル系は高価ですが傷に強く耐久性もあるのでアクリル系をオススメします。同じ人工大理石であればキッチンシンクと繋ぎ合わせる事ができ、繋ぎ目やコーキング等も必要なくなります。加工がしやすいのでL字型キッチンでも継ぎ目なしにすることが出来ます。汚れやすい繋ぎ目やコーキングか所が無いので清潔を保てお手入れも簡単。素材の特徴として他に比べると比較的柔らかく傷がつきやすいデメリットがあります。デザイン面では、色や柄が豊富にあり、単色から石目まで様々な柄があるのでインテリア性も高いところも魅力的ですね。
③クォーツ(人造大理石)
人造石は石が入っていない人工大理石と違い、人造大理石は天然石を模造して人工的に創った半人工素材です。天然石を粉砕しセメントや樹脂等、顔料を混ぜて固めて作られます。硬度が高く傷が付きにくく、耐久性に優れています。サッと拭けるのでお手入れも簡単なのもいいですね。人工大理石と比べてカウンターを継ぎ目なしに取り付けることが出来ないので、L字型キッチンの場合であればジョイントになります。石の存在感があり、より見た目の高級感が演出できるので、デザイン性を求める方にオススメです。天然石が入っている分人工大理石と比べて価格があがります。
④セラミック
セラミックとはガラスや焼き物のように高熱によって整形される素材のことで、焼き物ならではの高級感のある見た目と手触りの良い凹凸が特徴です。熱に強く、高温のフライパンや鍋を直接置いても変色や変質がないので安心です。また、表面は硬いので金属などでこすっても傷がつきにくく、調味料や薬品をこぼしても染み込みにくく丈夫な点も魅力のひとつです。カラーバリエーションも多く、キッチン全体に合わせた適切なカラーを見つけることが出来ます。
⑤メラミン化粧板
メラミン化粧板とは、単色や木目、石目などを印刷した紙をメラミン樹脂で覆った素材です。メラミンは、非常に硬い為衝撃や傷にも強く、調味料や油なども染み込みにくいというメリットがあります。印刷紙なので様々な色、様々な木種、木目、様々な石種、石目、人口柄など無数の柄があり、デザインが豊富にあります。また、表面の質感も平滑で光沢がある鏡面仕上げもあれば、天然木のような導管を模したエンボス(凹凸)をつけたもの等があるので、きっとお気に入りのデザインを探すことが出来るでしょう。キッチンの収納扉などに使われることも多いので、デザインを統一することも出来ます。色や柄によっては高温の鍋を置くと変色する可能性があるので、熱せられた鍋などを直接置かない様に注意が必要です。
⑥タイル
海外ではよく見るタイル素材を使ったキッチン。まるで映画のようなデザインは、憧れる方も多いのではないでしょうか?タイルなので、耐水性や耐熱性には強く機能性抜群。デザインもお店によって様々なデザインを選ぶことができるので、個性的なキッチンを作りたい方にオススメです。ただ、タイルのデメリットは時間が経過すると目地が黒ずんできたり汚れが目立ちやすく、お手入れが大変なこと。デザインを重視するのか、お手入れのしやすさを重視するのか考えてみましょう。
4:シンクの種類
キッチンシンクの種類には大きく分けて4種類あります。それぞれに特徴と、メリット・デメリットがあるので、何を優先させるのかを考えて比較検討してみて下さいね。
①ステンレス
昔から長く使われてきた定番の素材のステンレスです。一般家庭だけでなく公共施設や飲食店でも多く見かけるシンクの種類です。他の種類に比べて、比較的安価なのも特徴です。
【メリット】
・水に強くさびにくい。
・耐熱性、耐久性、耐摩耗性に優れている。
・汚れがしみにくく、表面を中性洗剤などで落とすことが出来るのでお掃除が簡単。
・衝撃を受けやすい素材なので食器やグラスを落としてしまっても割れにくい。
【デメリット】
・他の素材と比較すると露骨で無機質な雰囲気になる。
・時間と共にステンレスの光沢感が無くなってくる。
・ステンレス自体は錆びにくい素材ですが、鉄製の調理器具を長時間置きっぱなしにすると鍋の錆びが付着して錆びが発生してしまうことがある。
・水垢が残りやすい。
②人工大理石
名前に大理石と入っているので石が入っていると思われる方も多いかもしれませんが、材料には石は一切使われておらず、ポリエステル樹脂やアクリル樹脂でできた人工素材です。色や柄が豊富にあり、単色から石目まで様々な柄があります。お風呂の浴槽にもよく使え使われる素材です。
【メリット】
・色やデザインのバリエーションが豊富なのでインテリアに馴染みやすい。
・細かい傷であればメラミンスポンジで擦って落とすことが出来る。
・キッチンカウンターも同じ人工大理石にするとシームレス(繋ぎ目なくコーキング等も必要ない)に
カウンターとシンクを繋ぎ合わせる事ができ、汚れやすい繋ぎ目やコーキングか所が無いので清潔を保てお掃除がしやすい。
・水垢が目立ちにくい。
【デメリット】
・耐熱性があまり強くない。
・素材が柔らかいため、傷が付きやすい。
・汚れが付きやすく、時間の経過とともに黄ばみやすい。
③人造大理石
人造石は石が入っていない人工大理石と違い、人造大理石は天然石を模造して人工的に創った半人工素材です。天然石を粉砕しにセメントや樹脂等、顔料を混ぜて固めて作られます。より見た目の高級感やデザイン性を求める方にオススメです。
【メリット】
・色やデザインのバリエーションが豊富なのでインテリアに馴染みやすい。
・より本物の天然石に近い質感で表面がクリアで透明感のある見た目で高級感がある。
・お皿を置いたときや水を流した時、ステンレスの物を置いたときの音が響かず静か。
・水垢が目立ちにくい。
【デメリット】
・酸やアルカリに弱い。
・耐熱性があまり強くない。
・汚れが付きやすく、染みになりやすい。
④ホーロー
ホーローとは鉄やアルミなどの金属を下地にし、その上にガラス質のうわ薬を焼き付けた素材です。海外のキッチンではお馴染みですが日本ではあまり普及していません。食品保存の容器の素材にも使われていることもあります。
【メリット】
・海外の様なカトラリー調のインテリアになる。
・金属とガラスの特性を併せ持っているので、耐熱性に優れている。
・スチールのタワシなどでもこすっても傷がつかない耐久性があり、掃除がしやすい。
【デメリット】
・表面が欠けたり割れたりすると、下地の金属にサビが生じてしまうケースもあります。
・食器を落としたときに食器が割れやすい。
5:キッチン水栓
吐水の種類
水栓には色々な吐水方法があり、それぞれにメリット・デメリットがあります。
①整流
泡を含まずそのまま水が出てくる吐水のことです。単に水を出すだけだと、水がよじれてしまうので水栓の吐水口に整流板というものがついており水の出方や水圧を整えて泡沫のように水跳ねがしにくくなっています。もし、ご自宅の水栓がすごく水跳ねする場合、整流板がついていないか水垢などが溜まり機能していない可能性があるので交換をオススメします。空気などが含んでないので節水などの効果はありませんが、鍋に水を溜めたいときなど早く溜まり、時間の節約になります。現在多くの水栓は泡沫吐水になっておりますが、意匠的に水の出方をこだわった商品は整流吐水になっています。
②泡沫吐水
ほとんどの水栓が泡沫吐水なのですが、水栓の吐水口に泡沫金具というものが設置されており水と空気を混ぜることで白くシュワシュワした水がでる使用感の優しい吐水のことです。水はねが少ないのが特徴で、お皿などを洗ったときに水が飛び散りにくくシンク回りの掃除が楽になります。また、気泡を含むため水がでるので水量が減り節水することが出来ます。水栓によってはフィルターを付けるだけで整流から泡沫吐水にすることが出来る水栓があります。水栓全体を変える必要がないので、手軽に泡沫吐水にすることが出来、費用などもそんなに掛からずに変えることが出来ます。
③シャワー
浴室のシャワー水栓のように広い面から別々の穴から水がでるタイプの吐水のことで少ない水量で広い面積に湯水を当てることが出来るので食器などを洗う時や野菜を洗う時など時間の短縮になります。また、節水にもつながります。整流と切り替えできるタイプの水栓もあり、整流はコップに水を入れたり、鍋に水を張ったりするときに早く水を溜めることが出来るので、用途によって切り替えて使うと便利です。他にもホースを引き出して使える水栓もあり、シンク内の泡や汚れを流すときなどシャワーにして流すと早くストレスなく流すことが出来ます。
水栓の種類とメリット・デメリット
①シングルレバー
水栓本体にカートリッジといわれる「水」と「お湯」を調整する部品が付属しておりレバー一本で温度と吐水量を調整できるタイプです。操作が楽なことからツーバルブに代わって主流となっており、最近ではほとんどのキッチンで採用されています。片手で楽に様々な調整が可能で、小さなお子様から高齢の方まで簡単に使用することが出来ます。しかし、カードリッジを本体内部に組み込む関係上、水栓の形状やデザインに制約があります。また、ツーバルブの水栓に比べて吐水量が少ないといったデメリットもあります。また、あまり荒っぽく使い続けるとウォーターハンマーという管内に高水圧と衝撃が発生する現象が発生することがあるので、優しく扱う必要があります。
シングルレバーの中でもレバーのついている位置によって清掃性や使い勝手も違います。
水栓の一番上にレバーがついているタイプはレバーを操作する際に障害物がなく、上下左右を気にすることなく操作することが出来ます。利き手を気にせず使えるので、利き手が違う家族でも使いやすいです。しかし、濡れた手で操作すると水滴が下に垂れてしまい、水栓の本体の部分やカウンターなどを濡らしてしまい、掃除をする手間があります。
水栓の下にレバーがついているタイプはレバーがシンク内に収まっていることが多く、濡れた手で操作しても水がシンクの中に落ち、水栓回りに汚れにくいメリットがあります。真ん中についているので利き手関係なく使用できます。しかし、上部に水栓の本体が来ているので角度によっては操作しにくいことがあります。
水栓の右側にレバーがついているタイプは右利きの人は使いやすく、操作もコンパクトなので水のついた手で操作しても汚れる範囲が狭く済みます。しかし、右に何か物を持っていたり、左利きの人には使いにくく感じることがあります。
②センサー水栓
手をかざすだけで吐水と止水の出来るセンサー付きの水栓です。センサーで吐水止水を行うだけで、温度調整機能はありませんが別に温度調整レバーを設置しています。例えばハンバーグや餃子などを作って汚れた手であったり、食器を洗って手に泡がついていたりしてもレバーに触ることなく吐水が出来ます。レバーが汚れないのと、触れることがないので雑菌に触れる機会を減らすことが出来、衛生的です。
また、かざしているときだけ吐水するので水の出しっぱなしを防ぐことが出来、節水することが出来ます。デメリットはセンサーの反応速度がメーカーによってバラつきがあり、反応の遅いものだとすぐに水が出てこないストレスがあります。センサーの反応が良すぎるものはシンクにお皿を置いたときや、掃除をしているときに反応してしまい、自分が意図しないタイミングで吐水してしまうことがあります。センサーの反応する場所、しない場所に慣れるまで少しストレスになるかもしれません。
③タッチ水栓
ボディにタッチすることで吐水と止水が出来る水栓です。レバーの位置まで手が届かない小さなお子様などでも手が届き、お子様自身で吐水、止水することが出来ます。調理中で手のひらが汚れていても手の甲などで吐水することができ、レバーを汚すことがありません。しかし、ボディに触り吐水するので水垢や手垢がつくので、掃除をこまめにしなければならないというデメリットがあります。
④ツーバルブ(ハンドル)水栓
ツーバルブ水栓とは「水」と「お湯」の量をそれぞれのハンドルで調整し好みの温度に調整することができる水栓で温度、水量を調整するのにはそれぞれのハンドルを操作することになります。水栓の形状がハンドル、吐水口、ハンドルと三つに分かれているのが特徴でカウンター設置に際し3つの開口穴が必要ですのでスリーホール水栓と呼ばれたりもします。水とお湯の開閉ハンドルが別々にあり、お湯を薄めて使用するには両方のハンドルを調整しながら使用しますので使いづらい面がありますが、構造が単純なので壊れにくく修理も容易です。個性的なデザインの輸入品なども多くあります。
⑤音声認識水栓
手がふさがっていても声で吐水、止水が出来ます。レバーに触らないのでレバーが汚れることがありません。また定量での吐水が出来るので計量する手間がはぶけますし、大きな鍋を両手で持っているときにも便利です。他にも「30秒水を出して」というように時間を指定して吐水することが出来るので、その間は水栓から離れていても、時間がたてば水が止まるので水が流しっぱなしになるということがありません。水の無駄遣いを防ぐことが出来ます。しかし、声がうまく通らないと吐水が出来ないので、慣れるまではストレスを感じるかもしれません。
6:食洗器のメリット・デメリット
食洗器とは食器洗い機・食器洗い乾燥機といった設備の名称を略した呼び名です。汚れた食器を自動で洗浄する機能を持つ家電製品で、シンクの脇などに置く「据え置き型」と、オーダーキッチンやシステムキッチンの一部にはめ込む「ビルトイン型」があります。
①食洗器のメリット
食洗器は水をたっぷり使うように思われがちですが、実際は手洗いよりも遥かに少ない水量で洗浄することが出来ます。ある製品を例に比較すると手洗いが41リットルの水を必要とするのに対し、食洗器はその4分の1にあたる9リットルの水しか使いません。お湯を使って手洗いするときのガス代と食洗器を使う時の電気代とには、さほど差はありませんが、水道代が大幅に軽減されるため、年間約6000円もの節約になると言われているケースもあります。また、お湯を使って洗うことの多い冬場は手荒れに悩むこともあります。食洗器を使い始めた方の多くは、冬場の手荒れに悩まなくなったというメリットを感じている人が多いです。
他にも子育てや仕事をしている人にとっても、忙しい時間を有効的に使えるというメリットもあります。家族が多ければ多いほど、食器を洗う時間も比例してしまいます。手洗いの時に比べて家事にかける時間がぐっと少なくなります。高温のお湯で洗浄し、一気に乾燥させるので手洗いするよりも除菌・消臭効果も上がります。さらに食洗器は、べた付きがしつこくて手洗いでは不快になりがちな油物やシンクが狭いと手間になってしまうフライパンや鍋などの大きなものも簡単に洗う事が出来ます。食洗器は細かい部分についた汚れを洗い流すのも得意なので、ザルや泡だて器のように手洗いでは落としにくかった汚れも綺麗に落としてくれます。
②食洗器のデメリット
食洗器の中には食洗器では洗えないものや、場合によっては予洗いが必要なものがあります。洗えないもので注意が必要なのは高級漆器や金・銀食器・木などの素材の食器です。他にも子ども用の食器は素材が食洗器で使える素材でも軽いものは水圧でカゴから飛び出す危険があるため使わない方が良いでしょう。最近では食洗器に対応した食器も増えているので、購入時に確認が必要です。また、食洗器のグレードにもよりますが、こびり付いたお米や油汚れなど、汚れによっては食洗器では完全に落とせない場合がありますので予洗いが必要なこともあります。
そして、意外と気になるのは洗浄時の音です。キッチンとリビングが一続きになっている家庭ではテレビを見ているときなどに食洗器の音が気になることがあります。タイマーなどの機能が付いている食洗器では、団らんの時間などを避けるなど工夫すると良いかもしれません。
③ビルトイン型と据え置き型
持ち家にお住まいで、場所を取らずに食洗器を設置したいという場合は、最初からビルトイン型にするのがおすすめです。置場に困らず、綺麗にキッチン本体に収まるので見た目もスッキリします。ビルトイン型の食洗器はキッチンカウンターの下やシンクの下などに設置するため、ワークトップなどの作業スペースを確実にキープすることが出来ます。洗浄力や耐久性があり、洗浄時の振動がキッチンカウンターに伝わりにくく静音です。また、上部から食器を出し入れできるため、大きめの鍋でも楽な姿勢でセットできるのもポイントです。なお、システムキッチンやオーダーキッチンを購入・交換するときは、ほぼオプションで付けることが出来ます。初期費用がかかっても長い目で見れば、ビルトイン型の方がメリットは多いので引っ越しする可能性が低いならビルトイン型を導入することがおすすめです。
しかし、引っ越しなどが多かったり、賃貸でも設置できるのが据え置き型の良いところです。据え置き型を設置する際には環境や大きさなど確認しておかなければならない点があります。まず考慮すべきなのは水道との距離です。水道から遠い場所は設置に不向きなので、水道につなぎやすい場所を選ぶ必要があります。また、コンロに近い場所は火災の危険がありますし、調理台に近い場所は包丁など使う際に手に当たる可能性があります。他にも食洗器は200Vの電圧が必要であるため、対応するコンセントの近くに設置するか、電源増設工事が必要となる場合があります。
④食洗器のサイズ
食洗器には様々なサイズがあります。食器だけでなく、お鍋・フライパン・まな板なども洗いたい場合は大きいサイズを選ぶ必要があります。家族の人数によっても適切なサイズは異なりますが、使う食器の量が多かったり、将来家族が増えたりすることを考慮するのであれば、やはり大きいサイズを選ぶんでおくと安心です。ビルトインの食洗器のサイズは大きく分けると45㎝幅・60㎝幅の2タイプがあります。さらに収納容量は国内メーカーと海外メーカーでは差があります。45㎝の場合、国内メーカーは約6人分、海外メーカーは約7~9人分。60㎝の場合、国内メーカーは約7人分、海外メーカーは約10~12人分。大きい鍋を頻繁に使う場合は60㎝幅の食洗器の方が便利ではあります。2人家族までなら45㎝幅で充分のように思えますが、大型の料理器具やたくさんキッチン用品を使う場合は45㎝の食洗器では容量が足りないかもしれません。どちらを選んでも電気代や水量にさほど大きな違いはないため、例えば4人以上の家族の場合、設置場所に問題がないなら大き目の60㎝を選択するのが無難です。
7:レンジフードの選び方
レンジフード(キッチン換気扇)の設備はもともとキッチンの換気を目的としたシンプルな機能のため、どの製品機種を選んでもあまり違いがないし、使い勝手も変わらないと思われがちですが、最近の機種はメリットが充実しています。例えば大掃除で特に面倒なフィルターのないノンフィルタータイプやガスコンロを点火したら換気扇が作動し、コンロを消化したら換気扇も停止する連動機能を備えたものなどがあります。便利な機能やお手入れ性から選ぶことが出来るので、自分の生活にあったレンジフードを選択することが出来ます。
①レンジフードのサイズ
現在国内で販売されているレンジフードは横幅の規格が共通化されており、60㎝・70㎝・90㎝の3つが標準サイズとなっています。横幅の違いによる機能の違いはありませんが、レンジフードの横幅は消防法上、使用する加熱器具(ガスコンロやIHクッキングヒーター)より長さのあるものを設置する必要があります。例えば天板75㎝のガスコンロの場合、60㎝のレンジフードは設置することが出来ません。60㎝幅のガスコンロの場合は60㎝・75㎝・90㎝、どのサイズも設置が可能です。
②ファンの種類
レンジフードについているファンは回転することによって排気を吸い取り換気を促しますが、このファンのタイプには主に3種類あります。
・プロペラファン
昔ながらの換気扇と呼ばれる形状を思い浮かべるとわかりやすいかと思いますが、その名の通りプロペラが回転して、そのまま直接外へ排気する仕組みになっています。取り付けが簡単で、安価で排気量が多いというメリットもありますが、プロペラについた汚れのお掃除が大変ということと、外に接している壁面部分でないと設置できないという難点があります。また、機密性が高い建物には不向きです。
・シロッコファン
筒状の中の溝に小さな羽がたくさんついた形状で、筒が回転して排気します。シロッコファンの場合はダクトという配管を通して外に排気しますので、外に接している壁面でなくてもレンジフードが設置できます。場所を選びませんのでマンションなどでも採用され、現在の主流となりつつありますが、プロペラファンに比べると排気量が少なく、値段も高めとなっていますが、外部の風の影響を受けにくく、騒音が少ないというメリットがあります。
・ターボファン
シロッコファンに似ていますが、幅が広めの羽が数枚付いている形状です。こちらもダクトを通して排気するので、設置する場所を選びません。換気量はプロペラファンに勝り、お手入れもしやすい優れものですが、騒音が大きく価格が最も高いタイプとなっています。いずれのファンもそれぞれ一長一短で、異なる特徴を持っています。騒音がどの程度許せるか、予算はどのくらいか、取付位置やどんなフードをつけたいかなどを考えて、どのファンを採用するか決める必要があります。
③レンジフードの種類
・スリム型
現在最新型のレンジフード。見た目がスタイリッシュなのでインテリアとして人気が高いです。また、汚れがつきにくく、内部に溝や継ぎ目がないためお手入れ性の高い本体形状が特徴です。お手入れが面倒なフィルターをなくしたノンフィルタータイプが主流で、主にシロッコファンが使われています。
・浅型
主にシロッコファン、ターボファンが使われており、内部部品が多く掃除がしにくいという点がありますが、小さく薄い形状のため省スペースで設置が可能です。
・ブーツ型
上下に広がった形状をしており、主にシロッコファン、プロペラファンが使われています。内部部品が多く掃除しにくいという点がありますが、あらゆるキッチンに取り付けることが出来ます。また、スリム型や浅型よりも一般に普及しています。
8:照明の選び方
キッチンの照明に適したものとして、キッチンライト、ダウンライト、ペンダントライト、スポットライトの4つがあげられます。
①照明の種類
・キッチンライト
キッチンライトの特徴は天井に直接取り付けることで最も高い位置から広範囲に光が届けられるということです。台所を中心に明るくするため快適な作業には必須の照明と言えます。以前は蛍光灯が使われていましたが、主流はLEDに変わってきています。また、キッチンライトを設置する際には、吊戸棚の扉の開きがかからないことを確認する必要があります。
・ダウンライト
天井に穴を開けて埋め込むダウンライトはフラットな天井が部屋の空間をスッキリと広く見せてくれるのが特徴です。キッチンの長さに合わせて必要な個数が設置出来るので端まで均一に照らすことが出来ます。また、他の照明よりもホコリがたまりにくいため掃除の手間がかかりません。設置場所によってはスポットライトとしておしゃれな空間を演出するなど、用途によって使い分けが可能なのも魅力の一つです。ただ、人が座る椅子やソファの真上に設置するとダウンライトの光を直接受けて不快に感じてしまう場合もありますので、インテリアレイアウトを考えて設置しなければなりません。
・ペンダントライト
ペンダントライトはコードやチェーンなどで天井から吊り下げるタイプのライトです。ライトから照らす部分までの距離が近いため部屋全体を照らすのでなく限られたスペースを照らすのが特徴。目線に近い位置につり下がるのでデザインを重視したい人にオススメのライトです。ただ、照らせる範囲が狭いのでペンダントライトを手元灯にして、明るさを補うためにダウンライトなどと併用して使用した方が良いかと思います。
・スポットライト
スポットライトは意図的にある一定部分を強調したり、光を壁に反射・拡散させたりする間接照明などに適したライトです。ライトの向きを変えることで様々な空間演出が可能。スーパーマーケットや飲食店では食品を美味しく見せるためにスポットライトを設置しているお店が多いです。最近のマンションにはスポットライトを取り付けるためのダクトレールが最初から設置されているところもあります。ダクトレールは角度だけでなく位置も変えることが出来るので光を使ったおしゃれな空間を演出することも可能です。
②キッチン照明の明るさ
キッチン照明選びに失敗しないためには、照明器具の次に電球の明るさと色選びが大切です。おしゃれだからといって暗すぎては包丁や火などを使うキッチンでは危険ですし、食べ物を扱うのでオフィスのような青白い色の電球も向いていません。電球の明るさを示す単位として「㏐(ルーメン)」が使われています。一般的に、しっかり明るさを確保したい部屋の目安として~6畳までのキッチンで約3000㏐、~8畳までのキッチンで約3500㏐が適切とされています。ひと昔前は明るさは「W(ワット)」で数で表されることが多かったですが、LEDライトが普及するにつれてワット数での明るさ表示よりもルーメンによる行事が一般となりました。LEDライトを購入するときは、ワット数ではなく、ルーメンを明るさの参考にするのがオススメです。
キッチンライトを選ぶ際は、「雰囲気」「テーマ」「機能」を決めて、そこからライトの種類やデザイン、光の色を決めていきましょう。キッチンライトは環境によっては自分で取り付けることも可能ですが、穴を開けたりレールをつけたりといった工事が必要な場合があります。専門の施工業者さんへの相談も忘れずに、実際に設置が可能なのか確認を忘れないことも大切です。
オーダーキッチンを設置する場合は考えないといけないことがたくさんあります。デザインはもちろん、機能面の部分でも自分の生活スタイルとあっているのか検討しなければなりません。構成部材を知ることで自分の好み、生活スタイルから自分で選定することが出来ます。
本当に可能はどうか、現実的であるかは実績のある工務店に相談すればきっと理想のキッチンを作ることが出来ます。理想のキッチンを作って、キッチンに立つのが楽しみになるようなライフスタイルを作りたいですね。
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