インテリアコーディネートのコツ~いちから始める基本ルール~
家で過ごす時間を心地良くしたいと思った時にまず思いつくのは、部屋に好みのものを置いてみる事ではないでしょうか。
しかし、部屋に好みのものを置いても「何かしっくりこない…」「落ち着かない…」といった経験はないでしょうか。
そんな時、インテリアコーディネートという言葉を思い出すかもしれません。インテリアコーディネートと聞くと、難しそうでプロに任せないといけないイメージがあるかもしれませんが、いくつかのポイントをおさえれば、それまでとは違った居心地のよい部屋を実現する事ができます。
この記事では、インテリアコーディネートをする上でのコツをご紹介していきたいと思います。
【目次】
1.インテリアコーディネートとは
そもそもインテリアコーディネートとは何でしょうか。
「インテリア=室内装飾」「コーディネート=各部を調整、全体を調和するようにまとめる」と定義されています。確かに、好みのものを置いただけでは、部屋全体の調和は取れず、落ち着かない空間となってしまいます。インテリアコーディネートの目的は、部屋で心地良く過ごすことですので、調和の取れた部屋づくりを目指していきましょう。
2:ライフスタイルの整理
ライフスタイルとは、日本語で「生き方」「生活様式」のことを意味します。
インテリアにおけるライフスタイルは広義にわたるので、『物との関わり方』『仕事スタイル』『余暇の過ごし方』に分けて考えてみましょう。人の数だけスタイルがあるので、既存のスタイルに自分を合わせる必要はありませんが、どんなスタイルがあるかを知ることで、自分に合ったスタイルを知る手掛かりになります。
【物との関わり方】
ミニマルスタイル
ミニマルとは可能な限りの最低限・最小限を意味します。最小限主義とも言われ、家具や持ち物などを最小限に押さえて生活するのがミニマルスタイルです。しかし最小限といっても生活の快適性は保つのが特徴のスタイルです。
ミニマムスタイル
ミニマムは、特定の定められた範囲内での最低限・最小限を意味します。先程のミニマルと似ていますが、ミニマルが生活の快適性は保つのに対して、ミニマムは多少快適性を損なったとしても家具やものをほとんど置かず、本当に必要な物のみで暮らす傾向があります。多すぎるものを持たないことで生活を豊かにするという考え方のスタイルです。
マキシムスタイル
ミニマルスタイル・ミニマムスタイルが最小限の持ち物で暮らす人であることに対して、マキシムスタイルはその反対なので最大限の持ち物で暮らす人という意味です。マキシマリストの住まいは、好きな物をふんだんに取り込んだインテリアが魅力で、温かく包み込んでくれるような雰囲気があります。
【仕事スタイル】
オフィスワークスタイル
オフィスワークスタイルとはその名の通り、オフィスに出社して仕事をするスタイルです。家には基本的に仕事をする場所を作らない事が多いので、家はよりプライベートな空間となります。
在宅・テレワークスタイル
在宅ワークとテレワーク(リモートワーク)は雇用形態などの細かな違いはありますが、自宅で仕事をするといった点では同じです。プライベートな空間である家に仕事をする空間を確保する必要があり、今後も働き方改革の一環として続く可能性が高いでしょう。
ノマドスタイル
ノマドワーカーとは、決められた場所に出勤して働くスタイルとは異なり、あらゆる場所で働くスタイルをとる人のことです。パソコンとネット環境さえあれば、好きな時間に好きな場所で仕事をすることができる新しいワークスタイルです。
【余暇の過ごし方】
家で一人で(家族と)過ごす
余暇は家で一人または家族とのんびり過ごすという人は、家をよりリラックスできる空間として捉えることが多いでしょう。家に長時間居ても飽きない工夫が必要になります。
家に人を招いて過ごす
余暇は家に人を招いて賑やかに過ごしたいという人は、大人数で囲めるテーブルや椅子のおける空間の使い方に興味を持つでしょう。他の人の目線に立って客観的にインテリアを考える事もあるでしょう。
外に出かけて過ごす
余暇は外に出かけて趣味を楽しむという人は、家は休息の場として捉えることが多いでしょう。また、アウトドアスポーツやキャンプなど専門のグッズを必要とする場合には、それらを置けるスペースも必要になります。
3:インテリアスタイルを決める
インテリアコーディネートをする上で、インテリアのスタイルを決めることは大切です。
それでは、どんなインテリアスタイルがあるのか見ていきましょう。
ナチュラルスタイル
ナチュラルを直訳すると、自然、天然です。ナチュラルインテリアはシンプルな雰囲気の中に都会的でありながら自然のあたたかみを感じるインテリアです。
派手な色や装飾は用いずシンプルな直線や曲線をベースにして、全体的に淡いトーンでコーディネートするのが特徴です。流行に左右されないので幅広い世代に受け入れられるインテリアスタイルです。
さらにナチュラルスタイルでは下記のようなテイストに分類されます。
・ナチュラルモダンテイスト
・ナチュラルアンティークテイスト
・ナチュラルエレガントテイスト
・北欧ナチュラルテイスト など
モダンスタイル
モダンを直訳すると現代的・近代的という意味です。ガラスや金属などの無機質な素材を用いて、都会的な洗練された雰囲気を演出するインテリアのスタイルです。
さらに生活感を感じさせないホテルのような落ち着きがあり、開放的でシャープな印象のスタイルが特徴です。直線的なフォルムの家具を中心にレイアウトし、全体的な色味やトーンを抑えたスタイルです。
モダンスタイルは下記のようなテイストに分類できます。
・ナチュラルモダンテイスト
・シンプルモダンテイスト
・和モダンテイスト
・ラグジュアリーモダンテイスト など
クラシックスタイル
クラシックとは直訳すると、古典となります。インテリアや住宅のスタイルにおいてはヨーロッパの古典様式のことを意味し、細部に装飾が施され、濃い色調で重厚感を演出するスタイルです。
もともとは厳格なルールのもとにコーディネートされるのが一般的でしたが、現在ではそうしたルールにとらわれず自由な発想でコーディネートを楽しむことも増えてきています。
代表的なテイストは下記のとおりです。
・トラディショナルクラシックテイスト
・エレガンスクラシックテイスト
・モダンクラシックテイスト など
エレガントスタイル
エレガントは優雅な・上品なと訳されています。クラシックなヨーロピアンテイストの中により優美でフェミニンな印象があります。白を基調とした曲線を描く家具や磨きのかかった大理石に、ライトグレイッシュなトーンのインテリアが特徴です。
エレガントスタイルは以下のように分類できます。
・シンプルモダンエレガント
・カジュアルエレガント
・シャビーエレガント
・ビンテージエレガント
・アンティークエレガント など
アジアンスタイル
アジアのリゾート地のホテルやヴィラをイメージしたインテリアスタイル。アジア特有のエネルギッシュな自然資源を想起させる民芸調家具やインテリアが非日常感を演出し、自然の中にいるような心地良さやリラックス感を感じることができるスタイルです。
アジアンスタイルは以下のように分類できます。
・和風テイスト
・アジアンリゾートテイスト
・アジアンナチュラルテイスト
・アジアンレトロテイスト など
カントリースタイル
カントリースタイルは、一言でいうと欧米の田舎の家のようなイメージです。手作り感のある温かさある素材が使われ、パイン材のような節目や自然塗料で質感を活かした仕上げが施され、使い古された雰囲気を演出するようにコーディネートすることもあります。
4:レイアウトを決める
部屋の中を快適な住空間にできるかどうかは、人の移動が簡単にできるかどうかにかかっています。動線に考慮しながら必要な家具を配置していきます。
家具をレイアウトする時に確保する必要があるスペースは以下の通りです。
人が横向きで通る通路になるスペース
450mm以上
人が正面を向いて通る通路になるスペース
600mm以上
人が2人正面を向いてすれ違ってもぶつからないくらいのスペース
1100~1200mm以上
椅子を引いた時に後ろの壁にぶつからないスペース
700~800mm
次にゾーニングを行います。ゾーニングとは「その部屋でどう過ごすか」という目的に合わせて、ゾーン(区画)を作ることで空間を活用するテクニックです。
例えば「食事ゾーン」「くつろぎゾーン」「勉強(仕事)ゾーン」などに分けて、空間を考えてみましょう。場所の用途がはっきりすると、自然と家具の配置も決まり人の動きもスムーズになります。
なお、部屋の広さに対して理想の家具の占有率は「3分の1」と言われています。12畳の部屋であれば、家具は4畳分ということになります。
家具の占有率3分の1というのは意外とすっきりしたどちらかと言うとミニマリストに近い部屋になります。人は隙間を見るとどうしても埋めたくなってしまいますが、空間における余白はとても大切です。空間の余白を家具ではなく、観葉植物やミラー、照明などでアクセントをつける事でその人らしい部屋になります。
5:フォーカルポイントをつくる
日本の住宅にある床の間や、海外のインテリアで見かける大きな暖炉。
これらは自然に視線が集中する場所ですよね。こういった視線が集中する場所をフォーカルポイントと言います。
フォーカルポイントがあることにより、部屋に見せ場ができ、空間にメリハリが生まれます。
では、フォーカルポイントはどこに作れば良いのでしょうか。効果的なのは、部屋に入った時に一番奥に見える場所です。
ドアを開けた時、自然に部屋の奥に視線を誘うことになり空間に奥行き感が増します。
そこに絵や小物を飾れば、その部分が視線を集めるフォーカルポイントとなります。また、ソファに座った時に目線がいく正面もポイントです。写真を飾ったり、お花を置いて視線を導くと効果的です。
ソファが庭を向いている場合は、庭の風景がフォーカルポイントになります。フォーカルポイントを作る時は、多くを置かずこれだけは見せたいというものを絞った方が視線が集中しやすく効果が増します。リビングだけでなく、玄関や廊下などにも視線を集中させるコーナーを作れば、メリハリのある空間を演出できます。
6:カラーを決める
インテリアを考える上で、お部屋全体のカラーは大事な要素です。
基本的にカラーは3色までとし、カラー配分はベースカラー70%、テーマカラー25%、アクセントカラー5%にするとまとまりのある空間となります。
ベースカラー(70%)
インテリアの基調色と呼ばれるカラーで、部屋の中でも大きな面積を占めるアイテムのカラーを指します。おもに、床・壁・天井のカラーが挙げられます。
たいていの部屋ではホワイト・ベージュ・ブラウン系になることが多いと思います。ホワイトやベージュなどの明るい色味であると部屋が広く見え、ブラウン系の暗めの色味になると部屋が狭く見える視覚的効果があります。
テーマカラー(25%)
インテリアの主役となるカラーです。おもに、 家具やカーテンなどのカラーが挙げられます。
部屋のイメージを決める色なので、基本的には好きな色を取り入れましょう。テーマカラーが複数ある場合は、色相の違う色ではなく、ある程度同系色にすると良いでしょう。インテリアの雰囲気決めに重要な役割を果たします。
アクセントカラー(5%)
全体に占める割合が約5%と少なめですが、部屋全体を引き締める役割りのカラーです。おもに、クッションやインテリア小物に使用され、空間にメリハリをつけます。
ベースカラーやテーマカラーとは違った色で、鮮やかなトーンや重量感のあるトーンにすると、部屋の中で視線を集めるアクセントになります。先に述べたフォーカルポイントに使用するのもおすすめです。
このように、居心地が良いと思う空間にはいくつかのポイントがあります。
ポイントを押さえてご自身なりのインテリアコーディネートを楽しんでみてはいかがでしょうか。
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