鏡のデザインでオシャレな洗面所空間に!
洗面所には必ず鏡があります。機能的に使いやすい様に設置場所や鏡のサイズ・形状を決める事も大事ですが、鏡のセレクトにより洗面所空間の印象がかわってきます。理想の洗面所空間を手に入れる為に「鏡」のデザインは重要な要素です。
▽下記記事も併せてご覧ください。
今回は洗面所空間をデザインする上での鏡のセレクト(デザイン)方法についてお話したいと思います。
【目次】
住設機器(洗面化粧台)の鏡
オーダー製作された鏡
雑貨として販売されている鏡
鏡を洗面所空間を構成する壁面の一部として見せる
象徴的な存在として鏡を見せる
収納付鏡の場合に考えたい事
防湿加工鏡
曇り止め鏡
曇り止めヒーター設置鏡
1:どんな鏡が設置されているのか
まず洗面所にはどんな鏡が設置されるのでしょうか?
洗面所に設置される鏡のカテゴリーとして「住設機器(洗面化粧台)の鏡」「オーダー製作された鏡」「雑貨として販売されている鏡」に分けられます。
住設機器(洗面化粧台)の鏡
各種メーカーから販売されている洗面化粧台とセットになった鏡で、FIX(固定)鏡もあれば鏡扉になっていて内部が収納になっているものあります。形状として洗面台と一体型の鏡もあれば、セパレートタイプの鏡もあります。
一体型の鏡
セパレートタイプの鏡
鏡付洗面化粧台単体として、機能性、清楚性、デザイン性を追求し考えて作られていますので、貴方にとって気にいった洗面所空間に合うものがあれば、機能性やコスト面において右にでるものはありません。
ただし、様々な洗面所の間取りやユーザーの様々な希望に対して、最大公約数的にまた生産効率から規格化されて商品化されていますので、あるユーザーのすべての希望に対して解決されるわけではありません。新築時やリフォーム時、洗面化粧台は気に入っているがセットになった鏡が気に入らない場合、洗面化粧台だけを購入し、鏡をオーダーしたり、雑貨として販売されている鏡を組み合わせて自分このみの洗面所空間にするという方法もあります。
オーダー製作された鏡
ユーザーの要望に応じて寸法や仕様 デザインを自由に決められるがオーダー製作された鏡です。FIX(固定)鏡もあれ内部収納付鏡であれ要望に応じてなんでも対応できますし、洗面化粧台のデザインに合わせるだけでなく洗面所空間のデザインに合わせた鏡にする事ができ、一点一点製作しますのでディテールも拘れて美しいです。
デメリットとして、一台一台打ち合わせして製作するので 規格品にくらべて高い(同様のサイズ、仕様で比較したとして最低2倍以上はします)、納期が2週間以上はかかります。参考として、オーダー製作された規格メーカー品にない事例を紹介いたします。
・鏡の高さを抑え横長にし、上下のみ間接照明を設置し、空間の横方向への広がり感じさせるデザイン
・鏡の幅を抑えカウンターから天井までのフルハイト鏡にし、左右のみ間接照明を設置し。空間の高さを強調させたデザイン
・横長の鏡割のない一見Fix鏡(収納無し)に見せて、跳ね上げ式扉で収納をつけたデザイン
・鏡割のなく、収納キャビネットを壁面に埋め込み、壁面からのせりだしもなく一見Fix鏡(収納無し)に見せて、スライド式扉で収納をつけたデザイン
・鏡にLED照明を埋め込み、なおかつ鏡扉にして収納をつけた照明付鏡のデザイン
・スライド扉鏡にして一部を見せる収納としたデザイン。見せたくないものは隠し、見せたいものは見せる。
・壁面・天井の高さや幅に合わせて全面鏡貼にして 壁面・天井との境界ラインを鏡映り込み部分と一直線にして空間を広くみせたデザイン
・建築窓寸法に合わせて、壁面、窓、鏡(収納)を建築と一体かしてデザイン
・鏡設置壁面面積とのバランスを考慮し鏡を象徴的に見せたデザイン
・鏡の四周に木枠や真鍮製の枠をまわしクラシカルは雰囲気にしたデザイン
などがあり、ユザー様のご要望に応じて最適な提案を行う事ができます。
雑貨として販売されている鏡
特に洗面所用としてだけではなく、鏡雑貨として販売されているもので、壁掛け、卓上、床置きと様々なタイプ、様々なサイズ・デザインのものが販売されています。
セレクトする際の注意点として、あまりにも安い鏡雑貨は 鏡の品質がわるく鏡表面が波うっていたり、写りがくすんだり商品があるという事です。また、洗面所という水に濡れる可能性の高い、湿度の高くなる場所への設置を想定していない商品(洗面所用の鏡は通常防湿加工してます)もあり、すぐに鏡端部から錆びてくる場合あるので注意が必要です。
これら三つのカテゴリーの鏡ひとつで理想とする洗面空間(デザイン性)や使い勝手(機能性)を確保できればいいですが、そうでない場合はそれらを組み合わせて使う事になります。
2:洗面所空間をデザインする際の鏡のセレクト方法
改めて言いますが、洗面所空間をデザインする上で「鏡」は重要な要素です。必ず設置するという部材であり、鏡の配置、大きさによって使い勝手(機能性)が左右し、空間の見え方(デザイン性)が変わってくるからです。
空間をデザインする上で、鏡の使い方には二通りあって
・鏡を空間を構成する壁面の一部(空間に同化させる)と見せる
・鏡を空間の中での装飾的で象徴的な存在として見せる
この二つが考えられます。
壁面の一部として見せる
抽象的な存在として見せる
それらの使い方において鏡は
「鏡を空間を構成する壁面の一部(空間に同化させる)と見せる」なら、より大きい非装飾的な鏡
「鏡を空間の中での装飾的で象徴的な存在として見せる」なら、より小さい装飾的な鏡
という事になります。
鏡を空間を構成する壁面の一部と見せる
この方法の解りやすい事例がある1壁面全体を1枚の鏡にしてしまうという方法です。この場合、そのガラス壁面に収納など設置できませんが、両側面の壁と天井の境界ラインが鏡が映し出す像と同一直線になりますので、体感空間を広く感じさせます。
別の事例として、壁面全面でなく、壁面の一部だけ鏡にして、鏡の奥に空間を広がっているような感覚(日本庭園の見え隠れ)で、体感空間を広く感じます。(姿見としての利用はできません)
これらのように、ある壁面全体を鏡、又は床から天井まで鏡、壁から壁まで鏡にするのでなく鏡四周に間接照明をつけたい、また収納を付けたいなど壁面の一部のみを鏡にする場合、壁面の面積と鏡の面積の割合を見て鏡の面積が大きい(四周の壁面に量が少ない場合)は鏡自体はそれほど装飾(四周に枠を取ったりエッチングしたり)せず、せいぜいテーパーを取る程度にするのがお勧めです。なぜなら、四周の見えている壁面(間接照明があたるか所)が装飾的になりますので、双方装飾的にするべきでないという考えです。
鏡を空間の中での象徴的な存在として見せる
逆に、鏡の面積が小さい場合、その鏡は空間を構成する壁面要素ではなく、「壁面に設置された物」と認識し視点が集まりますので、空間壁面との対比を与える、具体的にはある程度は特徴的な形状や装飾を与えてあげたほうがいいです。
「壁面に設置された物(小さな鏡)」なのに、ただの「鏡」だけですと、とってつけたようなチープな見た目になります。
メーカーのショールームやWEB、規格品の洗面化粧台を見て、デザインがいいと思ったけど、実際に設置してみたらぜんぜんよくなかったという事が多々あります。それは、設置場所を考えて最終的にどう見えるのか?を考えていなかったので、とってつけたようなチープな感じになってしまうという事です。
逆に、小さな鏡で、特徴的な形状や装飾を持たせずに成立させる方法として、鏡自体の割合は小さいがキャビネットと一体として見せれば、鏡だけが象徴的要素にならない(視点が集まらない)ので、「鏡とキャビネット一体」と「壁面」のバランスでデザインすれば解決されます。
「オーダー製作鏡」でなく、「雑貨として販売されている鏡」を組み合わせる場合はその多くは小さな鏡になり、空間におかれた「物」と認識しますので、適度の特徴的な形状または適度に尾装飾された鏡をセレクトするのがよく、壁面に対して鏡の割合が小さい過ぎる場合は複数個設置してデザインする方法もあります。
収納付鏡の場合に考えたい事
上記、FIX固定鏡(収納無し)のセレクト・デザイン手法についてお話しました。いわば面としてデザインです。収納付鏡(いわゆるミラーキャビネット)ですと、その収納部分の厚みで壁面より前にせりだしますので、奥行方向についついても考えてデザインする必要が出てきます。人は壁面に設置された「物」の「奥行」を感じ「前にせりだしている」と認識すれば、圧迫感を感じ、その「物」の「重み」も感じまので、「壁面に重いものがついている」という認識から非安定感、不安感も感じてしまいます。
では、なぜ人は奥行を感じるのでしょうか?
奥行を感じるのは
・壁面までの距離と「物」までの距離感の差を感じた時
・その「物」の「側面」が見えた時
に「奥行」を感じます。
具体例で見ますと
横方向建築W一般にミラーキャビネットがあり立った時の視点で
・壁面位置が見えない
・側面が見えない
という理由から、壁面に設置されている「物(三面鏡)」の奥行を感じにくいです。
逆に、立った時の視点で壁面が見える、物の側面が見えると、その「物(1面鏡)」の「奥行」を感じてしまいます。
したがって、奥行を感じさせず圧迫感や不安感を与えない、収納付鏡にするためには、
・側面が見えないように両壁面にいっぱいに壁面収納を設置する
・収納キャビネットより四周鏡が跳ねだす大きさの鏡を設置し、立位置からキャビネット側面を見せないようにすれば(壁との距離感の差は感じますが)奥行を感じにくくし、逆に、鏡だけが宙に浮いたように見えるので「軽さ」を演出でき、圧迫感、不安感を感じさせにくくなります。
上記オーダー製作鏡の項でふれましたが、収納を建築壁面に埋め込んでしまう方法もあります。これらの方法を使えば、収納キャビネット付き鏡であれ、圧迫感を感じさない空間デザインが可能です。
追加の鏡セレクト
以上、洗面所の鏡をデザインする際に、「鏡を空間を構成する壁面の一部と見せる方法」「鏡を空間の中での象徴的な存在として見せる方法」及び「収納付鏡において、圧迫感を感じさせない手法」についてお話ししました。
あくまで、洗面所空間のデザイン面からの考え方ですから、小さい子供が自分でも使えるこの位置に鏡が欲しい、メイクする際の拡大鏡がほしい等、機能面からも考えてデザインする必要があります。
その場合で、どうしても「デザイン」と「機能」が両立しない場合、要求される機能(例えば小さな子供でも使える位置など 子供の時だけ必要)を追加の鏡、「雑貨としての鏡」で補う方法もあります。壁面固定するわけではないので、コップやタオルなどの雑貨類と同じ扱いです。その場合、洗面所空間のデザインテイストにあうものをセレクトするのは当然として、その他雑貨とのコーディネートを考えてセレクトする必要があります。
3:洗面所に適した鏡について
防湿加工鏡
洗面所は湿度が高くなります。鏡はガラスの裏面を銀幕、銅幕、特殊塗料幕でコーティングされているのですが、鏡の小口は保護されずそこから湿気が入り腐食が進行します。そのためメーカーの洗面化粧台とセットになった鏡や、オーダー製作する鏡は「防湿(防錆)加工」をほどこした鏡を使用しています。注意しないといけないのは、一部海外からの輸入洗面化粧台や雑貨として販売されている鏡は防湿加工されていない鏡を使用している可能性があるという事です。この場合1年もたたずに鏡の端部から黒く錆びてくる懸念がありますので、購入の際は販売店に確認しておくのがいいかと思います。
曇り止め鏡
洗面所は高温多湿になる場所ですので、普通の鏡はすぐに曇ってしいます。曇らないようにした特殊加工した鏡を「曇り止め鏡」と言います。この鏡はある鏡製造会社独自の鏡で、特注サイズ一枚では製作してくれない(実際はしてくれるけどコストが跳ね上がる)ので、規格寸法を大量に手配する必要があります。ですのでオーダー製作で自由なサイズを選んで曇り止め鏡にするという事はできません。この点に関してはメーカー規格の洗面化粧台のほうが都合がいいでメーカー規格品の上級グレードには曇り止め鏡が採用されている事が多いです。弊社のようなオーダー製作会社でも規格サイズの曇り止め鏡は用意していますのでその規格サイズの対応であれば可能です。
曇り止めヒター設置鏡
大きいサイズや特殊な寸法のオーダー製鏡で曇り止め加工する方法として、鏡の裏に曇止めヒータを設置する方法があります。デメリットは電気配線(工事)が必要なのとヒーターのスイッチをいれてからしばらくしないと効果がでません。(曇り止め鏡はそもそも曇りません)
4:まとめ
以上、洗面所空間で重要な要素と「鏡」について、どのようにデザインすればいいのか?機能的にどんな「鏡」があるのか?について話してきました。洗面所空間をどのようにしようか悩まれている方のヒントになれば幸いです。
洗面化粧台・洗面所に関する記事も併せてご覧ください。
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