ホテルライクなパウダールーム(洗面所)をご自宅で実現する方法とは?
リゾートホテルに泊まった際、ホテル客室のパウダールーム(洗面所)を体験した方なら「おしゃれだな」「素敵だな」「ああいうのが自分の家にも欲しいな」と思った経験のある方は多いかと思います。
そして、いざご自宅を新築・リフォームする際には、「ホテルのようなパウダールームにしよう!」と思うと同時に「使いにくくないかな?掃除は大変でないかな?必要な物すべて収納できるかな?」などの不安も抱いている方も多いのではないかと思われます。
今回は、ご自宅の洗面所、ホテルの洗面所双方を設計デザインしている私たちの経験からご自宅にホテルライクな洗面所を実現させるためのヒントをお話したいと思います。
▽洗面化粧台・洗面所に関する記事も併せてご覧ください。
さて、「ホテルライクなパウダールーム」とは一体どんなイメージですか?
「生活感がない」「高級感のある雰囲気」「広々としている」「見せる収納法がオシャレ」といったイメージではないでしょうか?
一見ご自宅の日常生活を送る洗面所のイメージとは真反対で実現不可能にも思えます。これらのホテルライクなパウダールームの各イメージを、どうすれば日常生活を損なわせずコストも抑えご自宅の洗面所に取り入れるか?見ていきましょう。
【目次】
洗濯機を視界から消す
乱雑さをなくす
床面にタイル調塩ビタイルを貼る
壁面にメラミン化粧板を貼る
壁面の部分的にタイルを貼る
正面(奥)に視点誘導させる
壁面と鏡のバランスを調整する
洗面カウンター下の収納キャビネットを減らす
白を基調とした空間にする
必要不可欠な雑貨からの選定
生活をより豊かにする雑貨の選定
1:生活感がない
ホテルの洗面所はご自宅の日常生活を行う洗面所ではないので、「生活感」を感じないのは当然と言えば当然なのですが、では一体「生活感」とは一体何でしょうか?
ご自宅の洗面所には家事室を兼ねている場合は多く洗濯機や洗濯カゴを置きますのでそれらが「生活感」を感じさせてしまう要因の一つかと思われます。
また、コップや歯ブラシ、アメニティなど日常生活において常にキチンと整理できるとは限りませんので、その乱雑な状況から普段の日常生活が見え「生活感」を感じさせてしまう要因です。
では、これらの「生活感」を感じにくくさせる方法はないのでしょうか?
・洗濯機が視界に入る
別途家事専用スペースを設けるのでなく、洗面所に家事機能をつけると洗濯機は必ず設置する事になりますが、この洗濯機を視界から切れば「生活感」を感じさせなくする事ができます。
視界から切る方法は
・洗濯機を未使用時は収納(扉)の中に隠してしまう。
・洗面所の間取りにもよりますが、洗面所に入り洗面化粧台に立つ、一連のシークエンスから視界に入らないようにする。
・上記が無理な場合は袖壁などで視界を切る。
などの方法が考えられます。
洗濯機未使用時は収納(扉)の中に隠してしまう
文字通り洗濯機を収納家具の中にいれたりして、未使用時は扉を閉めて中に隠してしまい使用時のみ扉をあけて使用するというという方法です。
事例1)
マンションのリノベーション事例ですが、一般的な洗面所が1坪(2畳)の広さです。
この洗面所の間取りですと、どうしても、洗面化粧台と洗濯機が横並びになってしまうのですが、一枚のルーバー(奥が透けないと重重しく空間が狭く感じしまう)扉を設け、洗面所を使用する時は洗濯機を完全に隠し、洗濯機を使用する際はスライドドアを洗面所方向にスライドさせるというデザインです。
スライドドアにしたのは、開き戸ですと洗濯機使用時こうする事に開いた扉が邪魔だからです。垂直収納扉というものもありますが、扉収納分内部有効が狭くなってしまうのでスライドドアを採用しました。
事例2)
同じ畳2畳分のスペースであれば、洗面台W=900→1200とれます。洗面室に入って正面の両サイド壁いっぱいに洗面化粧台が設置でき、見た目もスッキリし空間も広く感じます。
視界に入らないようにする
洗面化粧台の背面に洗濯機をおいて、入り口から洗面所に入って洗面化粧台までの動線で洗濯機が見えないようにします。
浴室にいく際は視界にはいってしまいいますが、洗面所にはいった際の印象は洗濯機が視界に入らないので生活感を感じさせないです。
注意事項としては、鏡の映り込みは注意する必要があるのと、畳2畳レイアウトでこの配置にする場合、洗面化粧台の奥行をD=450ぐらいに抑える必要があり、デメリットとして洗面所前のスペースが狭くなります。
洗面所スペースは畳2畳以上 W=1700以上ある場合は、横に置く配置も可能です。この場合洗面所前のスペースは確保できますが、角のスペースを収納にするとしてもアクセスしにくく使い勝手は多少悪くなります。
この間取りの場合は、次の洗面化粧台と洗濯機は横並びにするが袖壁で視界を切る方法がいいかもしれません。
袖壁などで視界を切る
畳三畳レイアウトですと、洗面化粧台がW=1500~1800とれ、横並びに洗濯機置き場を設ける事になると思いますが、洗濯機の視界を切る袖壁を設置する事により「生活感」を感じさせにくくできます。
重要なのは、洗面所入り口〜洗面所〜浴室までの動線です。
洗面所に対して入り口の位置、バスルームの位置にもよるのですができる限り洗面所入り口〜洗面所〜浴室までの動線で洗濯機の視界を切れるようにプランニングする事が大切です。
・乱雑さをなくす
日常生活で洗面所回りが乱雑になるのは仕方がない事です。ホテルのパウダールームであれチェックイン時は綺麗に整頓されていますが、チェックアウト時はほとんど人が乱雑になっているかと思います。
逆に、洗面化粧台周りで使用するものが手を伸ばせばすぐに届く範囲に置いてあるほうが機能的で便利ですよね。
一番よくないのが、自分や家族達の性格を顧みず、スッキリさせたいからといって全部しまってしまう洗面所のデザインにしてしまう事です。
そのようなミニマルなデザインは使い勝手も要求されていまいます。特に朝の慌ただしい時間に綺麗に整理整頓するのは難しいでしょう。
では、どうすればいいか?というと、ある程度それら物が「乱雑に置かれる事を前提に空間でデザインする」「乱雑になる場所に視界がいきにくいようにする」という方法があります。
乱雑に置かれる事を前提に空間でデザインする
これはどういう事かというと何も物が置かれていない状況でいいデザインを目指すのでなく、生活時に置かれるであろう物を置かれる前提でデザインしそれが完成形であるという事です。
例えば、私がデザインしたmorfaという水栓シリーズですが、洗面所・バスルームで置かれるであろうアメニティ類が置かれてはじめて良さがでる様にデザインしました。
具体的に言うと、ハンドルやシャワーヘッドの形態を、アメニティ類のビンのフォルムをベースとし間隔もアメイティ類を置く間隔と合わせてデザインしました。
物が置かれていない写真と物が置かれている写真を見比べてみて、どちらがいい雰囲気なのか?デザイン意図をご理解いただけるかと思います。
次の事例として、カラーの水栓です。
洗面所の回りに石鹸置きやコップやソープディスペンサーで置かれる事がおおいですが、一般的なクロームメッキの水栓の周りに、白や木目などの雑貨類を置いてしまうとどうしても煩雑に見えます。
しかし、白の水栓であれば、白系の雑貨類でコーディネートすれば違和感なく日常雑貨が溶け込んでいるのがわかると思われます。
乱雑になる場所に視界がいきにくいようにする
別の方法として、乱雑になってしまいがちな場所に視点がいかないようにするという方法です。つまり「乱雑さを無くす」ではなく「乱雑さを見せにくくする」という方法です。
事項の「ひろびろと見せる」に詳しく書いているので、ここでは要点だけお伝えしますと、洗面所に入った位置での洗面所の見え方に注目し、自然と人の視点が集まるか所がどこなのか?を考え、乱雑になるか所ではなく別の綺麗にデザインされたか所に視点誘導し、結果乱雑さを感じさせなくする方法です。
詳しくはそちらをお読みください。
2:高級感のある雰囲気
ホテルの洗面所(パウダールーム)って高級感のある雰囲気ですよね。
それは床・壁仕上げはタイル貼りが多く、タイルは質感が高く高級感を感じさせ、様々な色や柄が多くデザイン性に富んでいるからです。と同時にホテルは不特定の人が毎日立替わり使用し短時間で清掃しなければいけないので汚れにくい汚れても綺麗にしやすいタイルを採用するという面もあります。
ご自宅の洗面所の床や壁もタイル貼りにすればこの雰囲気は出せるのですが、どうしても材料費、施工費ともにコスト高になってしまいます。
コストを抑えてホテルライクな雰囲気を出す方法はないのでしょうか?
私たちは過去の納入経験から
・床面に塩ビタイルを貼る
・壁面にメラミン化粧版を貼る
・壁面の部分的にタイルを貼る
この三つの方法で解決できると考えています。
・床仕上げ:床面に塩ビタイルを貼る
塩ビタイル(シート)は材料費もタイルより安く、施工手間もかからないので施工費もコストダウンできます。壁面は手にふれる目に近い位置ですので使用してもタイルとの差は感じられお勧めしませんが、床であればそれほど差を感じさせる事はありません。
ひとえに塩ビシートと言っても様々なメーカーから様々な床素材がでているのは、私たちが主に採用しているのは、NOVATISという床材です。
主に日本国内で流通している塩ビタイルと同じカテゴリーではあるのですが、柄は立体印刷し質感をあげ、紫外線による退色耐性のあるビニル層を表面はポリウレタンコーティングしたもので、質感、耐久性ともにすぐれています。
一般的な塩ビタイル(シート)は伸縮するので太陽光があたる場所は伸びて、壁との取り合いに隙間(あそび)を設けていないと浮きあがってきたり、浴室内では使えないですが、この床材は問題ありません。
洗面所とバスルームを広々と開放的にするためにガラス貼りする事がありますが、その場合床や壁素材は同じ素材にしないと一体感を感じられなく逆に狭く感じてしまうので、このような場合は洗面所もタイル貼りにしないといけないのですが、この素材であれば浴室内も貼れますのでコストダウンすることが可能です。
特にリノベーションで床仕上げを変える場合、タイル仕上げはのタイルの厚みとのりしろで最低8ミリ〜ですので、現状の床仕上げの上からタイルを貼りますと床面が入り口側(リビング、浴室)と高さが合わなくなるので、床を一旦取り壊す必要がでてさらにコストがあがってしまいます。
塩ビタイル(シート)の場合、2.5ミリ程度の厚みからありますので、既存床の上から貼っても3ミリほどしか高さがあがらず、扉の下部は木枠がある場合などそもそも少しの段差がありますので問題ない場合があります。
このように素材のコストだけでなく下地(既存床)のやり替えが必要なのかどうかもコスト面で大きなポイントです。
さて次に壁面はどうでしょうか?先ほども言いました通り、壁面は手で触れる、目に近い位置にありますので塩ビタイルを貼っても質感はあがりません。
・壁面にメラミン化粧版を貼る
メラミン化粧板は単色から木目、石目など様々な色柄がありデザイン性富んでいて耐水性もあり、タイルに比べて材料費も施工費も安くすませられます。
洗面所の雰囲気に合う柄を選べばタイル調の高級な雰囲気から木目の落ち着いた雰囲気まで様々なインテリアテイストに対応できます。
デザイン的な観点から注意していただきたい事は、メラミン化粧板は厚みが3~4ミリ、サイズが900x1800(2400)、1200x2400のサイズが一般的で壁面全体に貼ろうとすると継ぎ目がでてきます。
施工しやすさやメラミン端部の保護の観点から、メラミン化粧板メーカーからメラミンジョイナーという部材が販売されておりジョイント部分に使用する事を進めておられます。
ただし、これを使うと繋ぎ目にジョイナーが出てきますのでデザイン性が損なわれます。
そこで、このジョイナーを使わずにメラミン化粧板同士を突きつけしたり、2ミリ程度の透かし目地をいれて壁面に貼りますと非常にすっきりとした見た目になります。
施工性やメラミン化粧板の小口の保護性能は多少落ちますが、洗面所で激しい動きや物を運んだりする事はないので特に問題ないかと考えており、現にこの納まりで施工して剥がれてきたなどの問題が発生した事はありません。
・壁面の部分的にタイルを貼る方法
洗面所空間の全壁面をタイル貼りにするのでなく、洗面化粧台の正面壁面や洗面所に入った際の正面の壁面にのみタイル貼りする。
つまり、一番よく立つ位置や洗面所の印象を決める入り口から視点がいく壁面にのみタイルを貼るという方法です。
特に、洗面所の床、壁、洗面化粧台のトーンが白系であれば、そのタイルを貼る壁面のトーンを全体のトーンと変えれば、そこに視点がいきますので、視覚のパースペクティブ効果で奥行が協調され広く感じさせる事ができます。
また、コストダウンしたい場合は、最低限、洗面台と鏡の間だけタイルやメラミン化粧板を貼ることもオススメです。よく水に濡れる場所なので耐水性、対汚れ性など機能性もあがりますし、雰囲気も良くなります。
このように床、壁仕上げを全てタイル仕上げにしなくとも(つまりコストを安く)ホテルのような高級感ある雰囲気を出すことは可能な事がお分かりいただけたかと思います。
3:広々としている
次に、「広々としている」というイメージについて、物理的洗面所(パウダールーム)の広さはおいといてホテルのパウダールームが広々としていると感じる理由はなんでしょうか?
・入り口から入って正面に洗面化粧台があり そこに視点がいくので広く感じる
・その正面の壁面(洗面化粧台設置壁面)が全面鏡であるか、壁面と鏡のバランスがいい
・洗面化粧台下部に収納キャビネットがない
・白を基調としたパウダールーム空間である
といった事が理由に考えられます。
では、ひとつひとつ詳しく見ていきましょう。
・正面に洗面化粧台があり、奥に視点誘導される
人はある空間にはいった際、色トーンの違う場所や、形態が違う場所に視点がいきます。そして、その向く視点位置が立ち位置より遠ければ空間を広く感じるという性質があります。
例えば、ある空間の正面の壁だけが黒で他は白の場合と左のみが黒壁面の場合を比べて見ますと、トーンの違う黒い壁に視点がむきますので、正面の壁が黒いほうを広く感じます。
また、すべて真っ白な空間の場合、そこに家具を配置した場合、より遠い位置に家具を配置したほうが広く感じます。
この様に洗面所に入って真っ先に視点がいく場所(多くの場合洗面化粧台)を入り口より最も遠い位置(つまり正面)にもってくれば空間が広く感じるという事です。
視点がいくのは、トーン(色の違う場所)や形態の違う物ですので、間取り上どうしても洗面化粧台が手前にくる場合は、その洗面化粧台は壁床と同調させる色合いにして、照明に、絵や壁面装飾で視界がいくようにすれば解決されます。
・壁面と鏡のバランスを調整する
洗面化粧台にたった位置から、正面の鏡と壁面の関係性について
壁面が全面鏡貼りだと、両サイドの壁面と天井の境界ラインが鏡にそのままま直線で写り込むので、鏡の奥にも空間が広がっているかのように見え広く感じます。
ホテルのパウダールームは収納がそれほど必要がないので、ご自宅で多く採用さえている収納鏡(三面鏡など)する必要性がないので全面鏡が採用される事が多いです。
注意点としては、背面がすべて映り込みますのでごちゃごちゃしたものが背面にありますと写り込んで逆に乱雑な生活感をだしてしまうので注意が必要です。
部分的な鏡にした場合でも広々と感じさせる事は可能?
まず、部分的な鏡と壁面の関係性よりも先に収納付鏡ですと壁面より前に約150㎜程度前にせり出しますので物理的圧迫感を感じます。
また、収納である→中に小物などがはいっている重い存在と無意識に感じてしまうので、それが圧迫感を感じる原因でもあります。(心理的圧迫感)
収納がどうしても欲しい場合は収納キャビネット部分を壁面に埋め込んでしまうという方法もあります。この場合、物理的圧迫感及び心理的圧迫感は感じません。
壁面と鏡の関係性について
壁面の面積に対して鏡の占める面積が大きい場合その鏡は「壁面に設置された鏡」ではなく「壁面を構成する物」と認識するので、全面鏡とさほど変わりません。
上記で述べたような両サイドの壁と天井の境界ラインの連続性はなくなりますが、逆に鏡は「壁面を構成する物」でありますが、四周が切られた装飾された鏡との認識で装飾性、象徴性はあがります。
逆に鏡の占める面積が小さい場合、その鏡は「壁面に設置された鏡」と認識するのでベースは壁面でそこにアクセントとして鏡が設置されたと感じるわけです。
その場合、鏡の大きさ、サイズ、位置は慎重にデザインしないと、とって付けただけに見え一体感を感じられなくなります。
また、見え方も縦に長い鏡を使用すれば垂直方向に視点が移動し天井が高く感じ、
横長であれば水平方向への広がりを感じます。
その他の場合は例えば丸型の鏡を数個配置するなど、使い勝手よい位置に設置するのは当然ですが、センスよく配置しないとごちゃごちゃとした見た目になってしまいます。
・洗面カウンター下の収納キャビネットを減らす
ホテルの場合は収納が必要なく、洗面カウンターの下部がなにもなかったりオープン収納であったりします。それも空間をひろびろと感じさせる要因です。
収納容量を増やすために、床から全部収納にしてしまう事がほとんどですが、スペースに余裕があれば床から150~350mm程度浮かせてキャビネットを設置するのをお勧めします。
理由は、洗面室は狭い空間ですが、キャビネットが床から浮いていると、床面が広く見え空間を広く感じるからです。
収納容量の関係によりますが、150mm程度床から浮かせるだけでも大分違います。また思い切って350mm程度浮かしてしまえば、臨時的に洗濯カゴ等を置くスペースとしても利用できます。
・白を基調としたパウダールーム空間にする
一般に白い空間と、黒い空間では白い空間のほうが広く感じます。白は膨張色と呼ばれ空間を広く感じさせる効果があり、また光を反射して輝くため照明が同じ照度であれば明るくなるからです。
また、同時に白は清潔感や爽快感を与え、人の心も晴れやかにひろびろとさせてくれます。ですので、ホテルパウダールームにおいての部屋自体のデザインにもよりますが、白を基調とした空間が多いというのが理由かと思われます。
さて、白を基調とした空間であれば「ひろびろとした空間」に感じるのはお分かりいただけたかと思いますが、単純に白で統一した空間にすればいいのか、と言われればそうでもありません。なぜなら、白は「汚れが目立ちやすい」「単に白統一だけなら締まりのない空間になってしまう」という弊害もあります。
汚れが目立ちやすい
洗面所は水に濡れたり、ヘアスプレーを使用したり、洗濯する場所でもあるので、特に汚れが付着しやすい場所です。その上で白を基調をした空間であればなおさら汚れが目立ち、同時にその白のメリットである膨張感や爽快感をそこなってしまいます。
特にクロス貼りですとタイル等に比べ耐汚れ性がおとりますので、新築当初はいいのですが、経年変化でとてもみすぼらしくなってしまうので注意が必要です。コストとの兼ね合いですが上記「高級感のある雰囲気」を参考に壁仕上げを考えていただくのがいいかと思います。
単に白統一だけなら締まりのない空間になってしまう
上記「広々としている」で、空間の広さの認識や感覚はその部屋に入った際の「視点」位置が重要な要素とお話しました。
つまり、「色トーンの違う」「形態の違う」場所に視点がいくという事です。ですので、単純に白だけで統一してしまうと、視点コンロールできないので視点が定まらす、ふわふわとした感覚で締まりのない落ち着かない空間になってしまいかねません。
形態で視点を定める方法もありますが、何か特徴的な形態(オブジェ)などがない限り洗面所で視点がいくのは洗面化粧台で、常にすっきり綺麗に整頓されていればいいですが、そうでない場合はごちゃごちゃとした生活感を与える場所に視点がいってしまいます。
つまり、どうしても常に整理整頓できないごちゃごちゃとしてしまう場所に視点がいきにくいようにすれば、日常生活を行うご家庭の洗面所であれすっきりとした「ホテルライク」な雰囲気を感じさせる事ができるという事です。
・まとめ
以上、空間を広く感じさせる方法、視点誘導を使ってごちゃごちゃした場所(個所)へ極力視点をいかせずスッキリとさせる方法についてお話してきました。
洗面所のプランニンウ、デザインを考える際の参考にしていただければ幸いです。
4:見せる収納がおしゃれ
ホテルのパウダールームにおいて、タオルやアメニティ類は一泊分だけあればよく、またタオルやアメニティ類もホテルのインテリアの一部としてデザインされていますので、それらを見せる(逆に言うと収納してしまうと宿泊者が探しにくい、使いにくいから見せる収納なわけですが)おしゃれな収納が可能なわです。
では、ご自宅では可能なのでしょうか?
ここでは、一旦小物などをすべてオシャレに見せる収納は一旦おいておき、ホテルライクな小物を一部見せる収納についてお話します。
・日常生活で必要不可欠な雑貨類で見せる物の選定は?
タオルや小物を一部であれ「見せる」のであれば、それらタオルや小物もデザイン性が高くパウダールームの雰囲気にあったものを選ぶ必要があるのは言うまでもありません。
けれども、必要な物、タオル、コップ、歯ブラシ、石鹸、ヘアケア用品などすべて「見た目」で選定するなんて無理ですよね。
例えば、自らの肌に合い性能的に合うボディローションがデザイン的に(見た目)他の気入っているアメニティ類洗面所のインテリアに合うとは限りませし、現実的ではありません。
日常生活において重要視するのは、見た目のデザイン性より、便利さや機能性です。なぜなら、それらを妥協してデザイン性重視でそろえていずれ窮屈で不便を感じやめてしまうからです。
ですので、見せる物はそれほど機能性が限定されないタオルやコップ、ソープディスペンサーなどにとどめ、その他の雑貨は収納内に隠してしまうという事お勧めします。
これら商品は機能性はほぼ同じで様々なデザインの物が販売されているのできっとご自宅の洗面所の雰囲気に合うものが見つかると思います。
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・必要不可欠でないけれども、見せるインテリアとして置くべきアイテムは?
普段の日常生活の機能性、利便性を損ねずに、タオルやアメニティの雑貨類で見せておける物は限られているという事はわかりました。
それだけの雑貨で見せる演出がしにくい場合はどうしたらいいのでしょうか?洗面所に絶対必要なものではないが、生活をより豊かにしてくれる雑貨を置いてみるというご提案をします。
どんな雑貨類かと言えば、「香り」「小物入れ」「時計」「植物」「間接照明」等あげられます。
・香り
洗面所は、朝は顔を洗ったり歯磨きやメイクなどの身支度をする1日スタートの場所であり、夜は1日の疲れを癒す場所。そのような場所だからこそ良い香りを広げることでリラックス出来る空間を演出してくれます。朝また、自分では気づかない様な「生活臭」を消す役割も果たしてくれます。
せっかく見た目のデザインや収納等にもこだわったキレイな洗面所でも、ニオイが気になる様な空間であればせっかくのおしゃれな洗面空間も残念な印象に。洗面所を綺麗にレイアウトしたならば、なおさら「香り」にも気を遣いたいところですね。
香りのアイテムはこちらから
・小物入れ
手を洗う前やお風呂に入る前に外したアクセサリーをなくしてしまった経験はないでしょうか?そんな時には、小物入れやトレーを洗面所に一つ置いておくのがオススメです。
眼鏡なども一緒に置いておくのも良いですね。また、トレーを使って一つにまとめることで、さっと上げれるのでお掃除もスムーズになります。ワンプレートにして見せるインテリアとして取り入れてみてはいかがでしょう。
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・時計
バタバタしてしまいがちな朝も、洗面所に時計を置いておけば時間を都度確認しながら準備することが出来ます。また、半身浴の時間を確認するのにも便利です。
小さいサイズでも文字盤が見やすいものだとなお使いやすいですね。水撥ねや湿気が気になれば防水タイプの物を選びましょう。意外かもしれませんが置いてあるとグッと生活が便利になるアイテムの一つです。
時計はこちらから
・植物
洗面所は何だか味気なかったり生活感が出やすい場所。観葉植物はどんなインテリアの洗面所にも合うので、ちょっと物足りなさを感じる時などに手軽に楽しむことが出来るのが魅力的です。空間にグリーンが加わることで洗面所全体がパッと明るい雰囲気になり、清潔感ある空間を印象付けることが出来ます。
最近では、「運気を上げるために観葉植物を置きたい」と考える人も。観葉植物は、自然のパワーやエネルギーが凝縮されており、良い気を呼び込み悪い気を吸収すると言われています。よどんだ気がたまりやすい洗面所に観葉植物を置く事はとても良い気をもたらします。
植物はこちらから
・間接照明
憧れの間接照明も洗面所に取り付ける方法は勿論のこと、使うシーン合わせて置いて使えるものを選ぶのも一つの選択肢です。
間接照明は雰囲気づくりにピッタリのアイテム。防水タイプの物であれば、キャンドルの代わりのバスタイムのお供にもおすすめです。間接照明で癒しの空間を演出してみてください。
間接照明はこちらから
以上のように、日常生活に絶対欠かせないものからデザイン優先で選べる雑貨を選び、生活をより豊かにしてくれる雑貨を組み合わせれば、ご自宅の洗面所をホテルライクなパウダールームにできるのではないでしょうか?
洗面所の床・壁仕上げや洗面化粧台家具を変えなくとも、つまり現状の洗面所空間でもこれら雑貨で素敵なホテルライクな雰囲気にする事だって可能かと思われます。
5:まとめ
さて、ホテルライクなパウダールームのイメージであろう「生活感がない」「高級感ある雰囲気」「広々としている」「見せる収納がオシャレ」について、生活面、コスト面からご自宅でも実践できる方法についてお話してきました。
洗面所の広さ・間取りや、家族構成、生活スタイルは様々ですので、「ご自宅におけるホテルライクなパウダルーム」の答えは決まっていませんし、一つでもありません。このトピックが皆さんがその答えを見つける助けになれれば幸いです。
宜しければ、洗面化粧台・洗面所に関する記事も併せてご覧ください。
WAILEAはお客様の理想の住空間を実現するために、オーダーキッチン・洗面化粧台の制作、インテリアデザインを賜っております。ご相談は無料ですのでお気軽にお問い合わせください。
東京・表参道、大阪・御堂筋にショールームがございます。是非、お気軽にお立ち寄りくださいませ。